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商品への愛がすべてのはじまり。P.G.C.D.の経営哲学

企業は様々な価値観、アイデンティティを示す「Way(ウェイ)」を持っています。例えるなら、リッツ・カールトンホテルにおけるクレドのようなものです。僕たちの場合、ベースとなる行動規範として、次の3つを掲げています。

(1)商品への愛
(2)お客様への愛
(3)仲間への愛

なぜ、商品への愛が一番なのか、疑問に思われる方は多いかもしれません。顧客満足や社員満足が先だという企業もあるでしょう。しかし、商品なくして顧客満足や仲間が得られるでしょうか。まずもって大切にしなければならないのは、商品への愛だと僕たちは考えます。

今回は、P.G.C.D.の基礎にあるWayを通じて、P.G.C.D.が一番大切にしているお客様と仲間との在り方をお伝えします。

企業の目的は顧客創造。商品への愛は企業活動の基礎

僕たちは3つの愛という行動規範を持っている。第一に「商品への愛」。第二が「お客様への愛」。第三が「仲間への愛」。この順番は僕たちの企業哲学において非常に重要だ。経営学者のピーター・F・ドラッカーは「企業の第一の目的は『顧客を創造すること』だ」 と言った。その考えをもとに、僕たちの顧客創造の形をお話ししようと思う。

商品への愛がない会社の商品を、買いたいと思うだろうか。採用面接で前職の商品を使っていたか尋ねると、8割は「使っていない」と答える。仮に、商品を使っていない、愛していない社員からお客様へ商品をおすすめしたとしても、お客様からすれば、すぐ見抜いて離れていくだろう。愛がない企業の商品に、大切な時間を割きたいとは思わない。

だからこそ、僕たちは1番に商品への愛を掲げる。僕たちが愛してやまない商品を、多くの方へ届けるために何ができるか。スタートラインは商品への愛にある。

人は死に向かって生きている。愛しているものを多くの人へ届けることに命の時間を使うのは、とても幸せなことではないだろうか。逆を言えば、自分が好きでもないものに、仕事だからと言い訳をしながら時間を割くことは、本当に幸せなことだろうか。

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商品への愛を共に深めあうお客様への愛

2番目に掲げているのが顧客への愛だ。僕たちが愛する商品を、一緒に素晴らしいと思ってくださる人を増やしたい。商品への愛があれば、お客様に伝えるために自然と創意工夫が生まれる。

それを体現しているのが、ある広告代理店のクリエイティブチームだ。彼らは依頼に際し、クライアントの商品を使い倒すそうだ。クライアントやユーザー以上に商品を理解し、商品を愛するユーザーになったうえでプレゼンをする。

僕たちがお付き合いをしているクリエイティブチームは、僕たちが気づかなかったことや、思わぬ良さを共有してくれる。一方で彼らは僕たちに、「御社のスタッフは誰よりもその商品に愛情、想いを捧げ、熱量を持って向き合っているから、僕たちも仕事がしやすく、やりがいが持てる」と話してくれる。

自分が好きなものであれば、同じ愛を他者と共有したいと思うものだ。商品への愛があってこそ、同じものを好いてくれるお客様への愛を深め、創意工夫の意欲につながる。

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同じ目標を掲げる仲間への愛

僕たちは1人で仕事をすることができない。優秀な営業マンによる個人競技のような企業ではなく、商品を多くの人に届け、愛していただくことを事業にしている。1人の限られた時間にレバレッジをかけるには、仲間との関係性による相乗効果を生み出さなくてはならない。よって、3番目に仲間への愛が存在する。

サッカーチームは、サッカーへの愛があるから、同じ目標に向かう人が仲間となり、絆が生まれる。世界一を目指すプロサッカーチームは、ファン以外にもスポンサーやトレーナーといった多くのサッカー好きが集まり、団結してチームの栄光を目指している。もし、1番の愛がファンや、仲間への愛だとしたら、何を目標にサッカーをするのだろう。サッカーである必要がなくなってしまうのではないか。

これをもって僕たちは、「商品が第一」という順番を非常に大事に考えている。順番が崩れてしまえば、基礎のない家のように、不安定で機能しないものになる。

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ある社員の涙ながらの訴えが、愛の大切さに気づかせてくれた

実は創業当初、愛をおろそかにしたことで、会社を腐らせてしまった時期がある。人手が足りず、人数を優先し、採用基準を甘くしていた。そのため、離職率が40パーセント近くあった。

そんななか、ある社員に泣きながら訴えられた言葉がある。

「辞めていく人は自分が正義だと信じて出ていきます。なかには、『だめな会社だ』と、ポジショントークを残して去る人もいます。私たちは、そんな会社の残り物なのでしょうか」

僕はこれを聞いて憤慨した。商品と、お客様と、仲間の関係性を全く理解していない。ポジショントークで仲間を批判するような社員はいらない。であれば、無理に社員を増やすのではなく、今いるメンバーでできることをしていこう。

それ以降、採用基準を変えた。商品への愛を持つ人か確かめるため、面接前に商品を試してもらうよう渡している。最終面接で僕が商品の使い心地を尋ねると、使っていない人はひと目で分かる。感想が薄く、商品名さえ覚えていない場合もある。その方の面接はお互いに時間の無駄になるため、すぐに帰っていただく。

社員に求めるものは愛だ。人手が足りない場合は他社へアウトソースしている。僕たちが常に、商品のことを一番に考え、お客様、仲間と本気で向き合い、愛を育むことは、P.G.C.D.の大前提にある企業哲学だ。

聞き手:栃尾江美
構成協力:ふじねまゆこ


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