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紫外線を浴びて黒くなるのは肌を守るため【シミの予防法は大きく2つ】

麻布十番えむスキンクリニック院長 沼尾真美×P.G.C.D.代表 野田 泰平[パート3]
年齢を重ねるにつれ気になるシミ。「日に当たっても肌が黒くならなければいいのに……」と思ってしまいますが、紫外線を浴びたにもかかわらず肌が黒くならないと、体に悪い影響もあるそう。
前回に引き続き、麻布十番えむスキンクリニック院長の沼尾真美先生に、シミができるメカニズムと予防策、沼尾先生が普段気を付けていることなどをお伺いしました。
(対談の前回まではこちら:パート1パート2)

【対談者プロフィール】
麻布十番 えむスキンクリニック 院長
沼尾 真美
香川県出身。2006年香川大学医学部卒業。高松赤十字病院、三豊総合病院、皮膚科・形成外科勤務を経て、2012年より都内美容外科、美容皮膚科に勤務し、主に再生医療に従事、院長を務める。2020年麻布十番えむスキンクリニックを開設。「治療の先に笑顔と幸せを」信条に、その方本来の魅力を引き出すことを心がけている。
https://www.azabu10-mskinclinic.com/

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株式会社 ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン 代表取締役CEO
野田 泰平
1979年福岡県生まれ。2010年に株式会社P.G.C.D. JAPANを設立。「年齢を美しさに変える人」を増やすため、スキンケア・スカルプケアの商品を開発、販売。また、2019年にはホールディングス会社である株式会社JBI GROUPを設立。企業理念『Pay forward』を掲げ、“世界を幸せにする人を増やす”という使命のもと、サスティナブルな商品、サスティナブルな事業を創造し、社会と未来に貢献する。

肌を守るためのメラニンが日焼けとシミの元に

野田泰平(以下、野田)
これまで2回の対談を通して、お肌や美しさ、シミについて伺ってきました。最後のパートでは、シミをできる限り防ぐケアについてお伺いできればと思います。

沼尾真美(以下、沼尾)
前回お話した通り、シミにはたくさんの種類があります。もっとも代表的な老人性色素斑、つまり紫外線によるシミについて、まずはシミのできる仕組みをお話します。
表皮の一番下に、メラノサイトという、メラニンを作る工場があります。紫外線を浴びると、その工場でメラニンを作ります。メラニンによって、表皮の下にあるDNAを守っているのです。もし、メラニンが作られずに紫外線がどんどん通過すると、皮膚がんなどのリスクがあります。つまり、メラニン自体は悪者ではなく、私たちの体を守ってくれています。
ただし、メラニンが過剰に作られたり、代謝が悪くなったりするとシミができる原因に。紫外線を浴び過ぎないことと、代謝をよくするケアによって、ある程度の予防ができます。最近は若い方や子どもでも、日焼け止めを塗るのが一般的になっていますね。
基本的には全身の代謝が落ちると肌の代謝も落ちるので、運動はしたほうがよいと思います。また、栄養、つまり食事の内容によっても代謝が滞る原因になり得ます。さらに、肌が乾燥するとターンオーバーが乱れるので、ていねいな保湿は大切。そのあたりがすぐに実践できることではないでしょうか。
メラニンの生成をブロックしたり、排出をよくしたりする化粧品もたくさん出ています。皮膚科でご相談いただいてもいいですし、好きなものをいろいろ使ってみるのもいいと思います。
野田
メラニン自体は、体が正常に反応してくれている証で、悪者じゃないんですね。あまり怖がり過ぎないことも大事ですね。
沼尾
そうですね。薄いシミならいつの間にか薄くなっていることもありますから。
野田
日焼けをするのは、メラニンが働いてくれているからだ、という事実は、心のケアとしてよいでしょうね。
肌のコリ

野田
少し別の観点からの話題ですが、顔の筋肉って、凝りますよね?
沼尾
たくさんの筋肉があるので、凝ると思います。
野田
代謝とは血液が回ることだと思うので、コリがあると血液が流れず、代謝が悪くなるのではないでしょうか。表情の癖により、使わない顔の筋肉は動かなくなると聞いたことがあります。口の横の筋肉を使って笑う人と、目の下にある前側の頬を使って笑う人で、使う筋肉が違うとか。発達しない部分は代謝が悪くなるそうですね。
沼尾
筋肉の癖はその人の顔になっていきます。50歳を超えると、表情の癖や筋肉の使い方が顔立ちに顕著に現れてきますね。
野田
やはりそうなんですね。また、皮膚の皮脂やメイクの油分などは、肌に与える影響はあるのでしょうか。
沼尾
化粧品の中に入っている成分が酸化すると肌によくない影響はあります。ただし、寝る前にしっかり落とせば、過度に気にする必要はないと思いますよ。
野田
洗顔せずに寝ると老化が数日早まる、なんて言いますよね。肌にメイクを塗ったまま寝ると、どんな影響があるのでしょうか。
沼尾
余計なもので肌を覆ってしまうので、ターンオーバーには影響があるでしょうね。
野田
沼尾先生ご自身が、肌の代謝を高めるという意味で心掛けていることはありますか?
沼尾
運動は定期的にしています。また、基本的に肌にはあまり塗らないようにしています。
野田
ファンデーションは使わないんですか?
沼尾
私も含め、スタッフも使っていません。
野田
奇遇ですね。うちの社員も全員ノーファンデ―ションです。
沼尾
そうですか! (見回して)皆さんきれいですね!
野田
ちなみに、僕もノーファンデ―ションです(笑)。先生はなぜ、ファンデーションを使わないのですか?
沼尾
若いときは塗ってもバシッと決まっていたのですが、年を重ねるとそうもいきません。時間が経ったらくすんだり、しわに入ったり。結局、塗らないほうが清潔感につながると思うようになりました。さらに、肌を覆っている感じが好きではなくて。例えば、夜のパーティなどがあるときなどは塗ってもいいと思いますが、普段の生活では塗らなくてもきれいに見える肌がよいと思っています。
野田
アメリカでもヨーロッパでもファンデーションを塗る方はほとんどいない。日本の昔からのおしろい文化で、白い肌のほうがいいという白人の方への憧れから生まれたようなものです。ヨーロッパでは黒いファンデーションをする方もいて、「日焼けしている方がお金持ち」という、金持ちの象徴だからだそうです。
おっしゃっていただいたように、余計なことはしないほうが肌の代謝もよくなりそうですね。運動してよく寝て、よい食べ物を選ぶ。結局は「よく生きる」ということでしょうか。
沼尾
まとめると、そうかもしれませんね。
野田
今回は、シミに関することを中心にお伺いしてきました。やはり、メラニン自体が悪ではないという話は本質的ですよね。お客様には、化粧品などを選ぶ時の情報のひとつとして、役立てていただければと思います。
 
執筆:栃尾 江美
▼対談のパート1と2はこちら